2026年5月27日、スクウェア・エニックスが「ドラゴンクエスト40周年」の節目に合わせて発表したのは、待望の発売日情報ではなく、「開発体制の全面刷新」と「サブタイトルの変更」だった。この報告を受けてSNSは騒然となり、多くのファンから批判や失望の声が上がっている。
何が発表されたのか――タイトル変更と開発一新

スクウェア・エニックスは2026年5月27日、公式X(旧Twitter)アカウントで『ドラゴンクエストXII 夢の彼方へ』の情報を解禁した。2021年に発表された旧タイトル『ドラゴンクエストXII 選ばれし運命の炎』からサブタイトルが刷新され、主人公ビジュアルなどが初公開されたかたちだ。また、開発責任者もかつての三宅氏から齋藤氏へと交代していることが明らかになっており、事実上の「作り直し」と受け取られている。
これにともない、2021年に公開されていた『選ばれし運命の炎』のティザートレーラーはスクウェア・エニックス公式YouTubeチャンネルから削除された。5年越しに公開されたはずの新情報が「リセット宣言」と化した格好であり、ファンの間では「せっかくの40周年に水を差した」との声も上がっているようだ。
ファンが怒る理由――5年間の「放置」と情報の透明性
今回の発表に対する批判のなかで特に多く見られたのが、「なぜもっと早く報告しなかったのか」という情報開示の在り方への疑問だ。あるXユーザーは次のように投稿している。
発表から5年ファン放置しといて「これ以上話したら怒られちゃう」なんて激寒の冗談をニチャつきながら言えんの凄いな
別のユーザーも、40周年というお祝いの場での発表内容に疑問を呈した。
そもそも開発やり直すことになったのなら、ファンにすぐ報告しろや。何をニコニコしながらこれ報告してるの? 40周年を盾にして発表することじゃないだろ。会社としての姿勢が残念すぎるわ
また、開発状況を時系列で整理した投稿も広まっており、その内容はこうだ。
恐らく2020年頃から開発スタート/2021年にタイトルロゴ発表/2024年に責任者の三宅氏退任/2025年に齋藤氏が開発責任者着任/2026年に新たなタイトルロゴ発表……6年開発してタイトルロゴしかできてないのゲーム開発として完全に破綻している。
批判の主な論点を整理する

SNS上で寄せられた批判は、大きく以下のような論点に集約されるようだ。
- 発売時期の見通しが立たない:戦闘シーンなどのゲームプレイ映像が一切公開されておらず、「ここから2〜3年どころじゃない待ち時間が確定した」との声が多い。
- 「ダーク路線・大人向け」のコンセプト撤回:旧タイトル時代に打ち出していたダークな世界観が今回の新情報では感じられないとして、「お詫び・なかったことにしてくれ、で笑ってる」といった皮肉も見受けられた。
- 主人公のビジュアルへの賛否:「主人公がダサい」「スマホを首に下げているのが嫌」などビジュアル面への不満も散見された。
- すぎやまこういち氏・鳥山明氏への思い:シリーズを支えてきた両氏がすでに他界していることから、「11でシリーズは終わりだと受け取っていた」「12はすぎやま先生・鳥山先生との最後の作品ではなかったのか」と、精神的なダメージを口にするファンも少なくない。
- コアファンほど蔑ろにされる構造:「発売日に即買いするようなシリーズファンであればある程軽視される構造は改めるべき」という、IPビジネスそのものへの問題提起もあった。
擁護・理解を示す声も存在
一方で、今回の状況に一定の理解を示す意見もある。「メインスタッフの2人(すぎやまこういち氏・鳥山明氏)が亡くなって、ダーク路線は難しいと思う」として開発方針の変更をやむを得ないものと捉えるファンや、「ドラクエ12は楽しみだし、いつまでも待つけど……」と支持の意を示しつつも企業の情報発信姿勢に疑問を呈するバランスの取れた声も見られた。また、「批判するならもうDQ12に関わらないことだ、勝手にハードルを上げて盛り上がりガッカリするのはストレスが溜まるだけ」といった冷静に距離を置く意見も投稿されている。
公式からの追加説明は現時点でなし
スクウェア・エニックスは5月27日の発表以降、開発リセットの詳細な経緯や発売時期の目安について、現時点で公式からの追加発表は行われていない。「今後の続報をお待ちください」というメッセージのみが公式から示されている状況だ。ファンの間では「実際高齢者や持病持ちは絶望してるだろうな」という切実な声も上がっており、長期化する待機期間への不安は拭えないようだ。
なお、旧タイトル『選ばれし運命の炎』のティザー映像が削除されたことについても、「5年前の動画が”幻の作品”になってしまった」と複数のメディアが指摘しており、ファンにとっては二重のショックとなっているとも報じられている。
まとめ――40周年に明らかになった「深刻な遅延」

2021年の初発表から5年が経過し、ドラゴンクエスト40周年という節目に届いたのは発売日でも映像でもなく、「作り直し」の報告だった。開発責任者の交代、サブタイトルの変更、過去映像の削除——これら一連の事実が重なり、多くのファンが落胆と怒りを感じているのは否定できない状況だ。ただし、長年の開発の中でシリーズの顔ともいえるクリエイターたちを失ったことも事実であり、新体制がどのような作品を作り上げるかは今後の続報を待つほかない。引き続き公式からのアナウンスが注目される。

