3DS専用タイトルとして2014年に発売された『妖怪ウォッチ2』を、海外のファンチームがUnityを使ってゼロから作り直しているプロジェクトが明らかになり、ゲーマーやSNS上で大きな話題を呼んでいる。PC・モバイル・Nintendo Switch・VRへの対応を謳っており、クオリティの高さへの称賛と著作権上の問題を指摘する声が入り乱れている状況だ。
UnityでゼロからSwitch・スマホ向けに制作中

このプロジェクトを公表したのは、スペイン語圏の妖怪ウォッチファンコミュニティ「EL CUARTEL BLASTERS(@BlastersESP)」。2026年5月10日にXへ投稿した内容によると、同コミュニティのパートナーの一人がUnityを使ってゼロからリメイクを制作しており、PC・モバイル・Switch・VRの4プラットフォームでのリリースを予定しているという。公開されたスクリーンショットは、3DS版のグラフィックをベースにしながらも現代的にブラッシュアップされた印象を受けるものとなっていた。

投稿では「#SaveYokaiWatch」「#YokaiWatch2」のハッシュタグも添えられており、シリーズの現状や公式リメイク・移植の不在に対するファンの思いも込められているようだ。詳細はDiscordサーバーで案内されているとのことで、海外ファンを中心に情報が拡散した。
著作権・知財面での懸念が相次ぐ
高いクオリティへの称賛とともに、著作権上の問題を指摘する声も多く上がっている。Xユーザーの「ねさん(@nesan_punipuni)」は「めちゃくちゃ怒られそうだけど大丈夫なのこれ」と疑問を呈し、別のユーザーは「これほぼ海賊版行為じゃね?」と批判的な見方を示している。
一方で、「なんか色々言われてるけど見た感じクオリティ高いしもうレベルファイブはこの人を一旦雇ってみたらどうかと思いました」(@youkai_ryochan)と、開発者の技術力を評価したうえで公式が関与する可能性に期待する声も見受けられた。かつてカプコンがファンリメイクの開発者を招いて正式な形でゲームを完成させた事例や、セガがソニックのファンゲーム開発者を起用して『ソニックマニア』を生み出した例などを引き合いに出す意見も出ている。
原作『妖怪ウォッチ2』とは
『妖怪ウォッチ2』はレベルファイブが開発・発売した3DS専用RPGで、「元祖」「本家」の2バージョンが2014年7月に、追加要素を加えた「真打」が同年12月に発売されている。国内では社会現象的なブームを巻き起こしたシリーズ作品であり、3DS本体の普及にも大きく貢献したタイトルだ。しかし、3DS固有の2画面・タッチパネル操作を前提とした設計となっているため、他プラットフォームへの移植やリメイクは技術的にも権利的にもハードルが高いとされていた。
シリーズ自体はその後も展開が続いているものの、過去作の公式リメイクや現行機への移植はいまだ実現しておらず、世界中のファンからリマスターや復刻を求める声が根強くある。今回のファンリメイクも、そうした需要の高まりを背景に生まれたプロジェクトと見られている。
レベルファイブの対応に注目集まる
国内外のSNSでは「レベルファイブはどう対応するのか」という点に注目が集まっている。なお、元記事の公開後に当該アカウントが鍵アカウントに変更されたとの情報もあり、状況は流動的だ。権利元であるレベルファイブが黙認するのか、中止を求めるのか、あるいは開発者を正式に起用するような展開があるのか――現時点では何ら公式コメントは出ていないようだ。
著作権の観点からは、たとえ非商用であっても他社IPを無断でゲーム化する行為はグレーないしアウトの領域に踏み込む可能性がある。一方で、「公式が供給していないプラットフォームへのファンの渇望」がこうした動きを後押ししている側面もある。権利者・ファン・コミュニティそれぞれの思惑が交差する本件の行方を、引き続き注視したい。

