14年ぶりの「007」ゲーム、なぜ今? IO Interactiveが語る『007 First Light』の覚悟

14年ぶりの「007」ゲーム、なぜ今? IO Interactiveが語る『007 First Light』の覚悟
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『ヒットマン』の25年がボンドと出会う

IO Interactiveといえば、暗殺者エージェント47を主人公とした『Hitman』シリーズで知られるデンマークのスタジオだ。そのスタジオが今、「007」という世界的IPに正面から挑んでいる。タイトルは『007 First Light』。PC(Steam/Epic Gamesストア)、PS5、Xbox Series X|S向けに2026年5月27日の発売が予定されており、Nintendo Switch 2版も2026年夏後半のリリースが見込まれている。

「007」を題材としたゲームとしては実に14年ぶりの新作だ。AUTOMATONは「Bilibili First Look Games – April 2026」に出展された本作の開発陣へのインタビューを実施。IO InteractiveのGlobal Brand ManagerであるLaurine Deschamps氏から、本作に込めた思いを聞いた。

自社エンジン「Glacier」を史上最大の進化へ

自社エンジン「Glacier」を史上最大の進化へ

本作のトレーラーを見ると、その映像クオリティに目を奪われる。その裏では、IO Interactiveが長年使い続けてきた自社製ゲームエンジン「Glacier」が大幅に刷新されているようだ。

Deschamps氏は「『007 First Light』の開発と並行してエンジンも進化させており、これまでの『Hitman』シリーズ以上に限界まで進化させる必要がありました」と語っている。自社エンジンを持つことで、サードパーティに依存せずゲームのニーズに特化した機能を開発できる点が強みだとのことだ。映画のようなストーリー体験を実現するために、エンジンそのものへの投資を惜しまなかったことがうかがえる。

公開されているゲームプレイ映像では、ガジェットを活用したステルス、スタイリッシュな近接戦闘、そしてスリル満点のカーチェイスなどが確認できる。

26歳の「まだ伝説になっていないボンド」

26歳の「まだ伝説になっていないボンド」

本作の最大の特徴のひとつが、主人公のジェームズ・ボンドがわずか26歳という設定だ。MI6の訓練もまだ受けていない若きボンドが、いかにして伝説のエージェントへと成長していくのか——そのオリジンストーリーが描かれる。

ボンドを演じるのはパトリック・ギブソン。Deschamps氏によれば、キャスティングで最初に会った俳優のひとりでありながら、「知性、繊細さ、そして自信のバランス」を兼ね備えていると判断され、最終的に選ばれたという。外見的な存在感だけでなく、タキシードや伝説で彩られる以前のボンドの感情の深みを表現できる人物を探し続けた結果だそうだ。

外見面では、イアン・フレミングの原作小説の描写——色白の肌、青い瞳、黒髪、頬の傷——が忠実に再現されている。一方で、まだ洗練された「007」ではない未完成さが、新鮮な魅力となるだろう。

ヴィランにレニー・クラヴィッツ、MやQも登場

ヴィランにレニー・クラヴィッツ、MやQも登場

ボンドの宿敵として、なんとミュージシャンのレニー・クラヴィッツが出演する。彼が演じるバウマは、モーリタニアに拠点を置き西半球全域で活動する闇武器ネットワークのリーダーという役どころ。Deschamps氏は「彼はバウマという人物が持つ威勢の良さだけでなく、その奥に潜む苦しみや過去をも理解していた」と語っており、カリスマ性あふれる悪役の誕生が期待される。

また、シリーズおなじみのMやQといったキャラクターも登場する。本作がオリジンストーリーであるため、ボンドが彼らと初めて出会うシーンも描かれるとのことで、長年のファンにも新鮮な視点を提供してくれそうだ。

『Hitman』との違い——「スピーディーで勢いに満ちた世界」

『Hitman』との違い——「スピーディーで勢いに満ちた世界」

同じスタジオが手がけているとはいえ、『007 First Light』と『Hitman』は似て非なる体験を提供するという。Deschamps氏は両者をこう比較する。

「『Hitman』シリーズは、忍耐力、正確さ、そして緻密な計画がカギとなります。一方、『007 First Light』の世界はよりスピーディーで勢いに満ちています」

ゲームプレイには「古典的なスパイ・アクション」と「ステルス」の2つの柱があり、単に敵を静かに倒すだけでなく、環境を巧みに利用した即興的なアプローチが求められるとのことだ。ステルスも銃撃戦も「同じくらい有効で、やりがいがある」と語られており、プレイスタイルの幅広さがうかがえる。

また「Tac Sim」という繰り返しプレイを楽しむモードも実装予定で、異なる装備や戦略で同じミッションに挑めるリプレイ性も確保されている模様だ。

14年の空白を埋める自信

14年の空白を埋める自信

「007」ゲームの前作は2012年の『007 Legends』。それから14年もの間、「007」を冠したゲームは生まれていなかった。この長い空白を埋めるプレッシャーについて、Deschamps氏は「本作で初めて『007』に触れるゲームプレイヤーもいる」と述べ、ジェームズ・ボンドのオリジンを描く本作が「予備知識のない新規プレイヤーにとっても完璧な入り口になる」と自信をのぞかせた。

エレガンス、高速カーアクション、ガジェット、世界を股にかける冒険、受賞歴のある音楽——「007」が持つ普遍的な魅力を一切妥協せず盛り込んだと語る開発陣の言葉には、25年のスタジオの歴史を背負った覚悟が感じられる。時代を感じますね。

『007 First Light』はPC(Steam/Epic Gamesストア)、PS5、Xbox Series X|S向けに2026年5月27日発売予定。Nintendo Switch 2版は2026年夏後半のリリースが予定されている。

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