Arrowhead Game Studiosは2026年4月28日、『HELLDIVERS 2(ヘルダイバー2)』向けにバージョン6.2.2となるアップデートを配信した。新バイオームの追加や各種バランス調整が実施されたが、その調整内容を巡ってユーザーからの反発が相次ぎ、Steamに3000件を超える不評レビューが投稿される事態となった。これを受けて開発元はすみやかに対応を発表しており、サービス開始から3年目を迎えた本作において再び”バランス調整批判”が注目を集めている。
バージョン6.2.2で何が変わったのか

『ヘルダイバー2』は2024年2月にリリースされた最大4人協力プレイ対応のTPS。スーパーアース連邦のエリート部隊として、ターミニッド(宇宙生物)・オートマトン(殺人ロボット)・イルミネイト(高度文明体)に立ち向かうミッションに挑む作品だ。2024年5月時点で売上1200万本超えを記録した大ヒット作であり、2026年現在も定期的なアップデートが継続されている。
問題のパッチでは2つの新バイオーム追加に加え、武器・戦略支援・敵キャラクターの性能に複数の変更が加えられた。なかでも最も大きな不満を集めたのが「ハイヴガード」という敵の調整だ。ハイヴガードは胴と足先の耐久が低下した一方で、頭部と前腕の甲殻が重装甲に強化された。前面の大部分を甲殻で覆う同敵に対し、中装甲貫通未満の武器では正面突破が難しくなったとされており、特に自動照準で攻撃するマシンガン砲塔がハイヴガード1体に無力化されてしまうケースが増加したと指摘されている。
Steamに3日間で3000件超えの不評レビュー

4月28日のパッチ配信後、Steamのユーザーレビューには不評が続々と投稿された。28日からの3日間で投稿された3000件を超えるレビューは、いずれも好評率が20%を下回る水準だったと報告されている。ユーザーからは「フィードバックが届いていない」「数字の改善(ウォーボンド売上やレビュースコア)にしか反応しない」といった声も上がっているようだ。
「ヘルダイバー2の開発陣がユーザーの意見に耳を傾けてくれてよかった……と言いたいところだが、実際にはそうではなかった。どうやら称賛の言葉か、レビュースコアやウォーボンドの売上に影響を与える形でしか、フィードバックが届かないようだ」
こうした声はYouTubeなどのゲームコミュニティにも広がりを見せており、パッチの内容に対する批判的な動画も公開されている。
開発元が即日対応——5月6日のホットフィックスでハイヴガードを元に戻すと発表

相次ぐユーザーからの批判を受け、開発元Arrowheadは5月1日に公式Xアカウントを通じて声明を発表。現地時間5月6日(水)に配信予定のホットフィックスにて、ハイヴガードの性能をパッチ適用前の状態に戻す方針を明らかにした。また、パッチ6.2.1で誤って脚部と爪部の装甲値が入れ替わっていた不具合についても同時修正する予定だという。
「ホットフィックスは5月6日(水)を予定しています。ハイヴガードの性能を元に戻し、パッチ6.2.1で装甲値が誤って入れ替わっていた問題を修正します」
この発表に対しては、再調整を歓迎する声のほか、「本当の問題はそこではない」として別の調整内容への懸念を訴えるリプライも多数寄せられているとのことで、コミュニティの反応は一様ではないようだ。なお現時点では、ホットフィックスで取り扱われる範囲以外の調整について、公式からの追加コメントは確認されていない。
繰り返されるバランス批判——過去の騒動を振り返る

『ヘルダイバー2』がバランス調整を巡る批判に直面するのは、今回が初めてではない。リリース直後の2024年3月には当時の人気武器の弱体化が物議を醸し、同年8月には火炎放射器の弱体化をきっかけにSteamへの不評レビュー投稿が相次いだ。これらの事態を受けてArrowheadは「60日間の大改修」を掲げる大型アップデートを実施。その後ユーザー評価は持ち直しを見せていたが、ライブサービスが続く中でバランス調整への不満が再び蓄積していたようだ。
なお昨今では、早期アクセス配信中の人気デッキ構築ローグライク『Slay the Spire 2』でも大型アップデート後の特定カード弱体化を巡り、中国語ユーザーを中心に1万5000件の不評レビューが寄せられたことが記憶に新しい。人気タイトルのバランス調整が持つ難しさは、業界全体で改めて注目されている話題だといえるだろう。
「Steamでバランスパッチを配信する恐怖」——ベテラン開発者もぼやく

こうした状況を踏まえ、『Mewgenics』や『Closure』などを手がけるベテランゲームデザイナーのTyler Glaiel氏は4月29日、自身のXアカウントに皮肉めいたコメントを投稿している。
「『人間が経験できる最も恐ろしいことは溺れること』などと言う人は、Steamで人気ゲームのバランスパッチを配信したことがないのだろう」
同氏が『ヘルダイバー2』や『Slay the Spire 2』の件を念頭に置いたコメントかどうかは不明ながら、ベテラン開発者でさえそのリスクを強く意識していることが伝わる投稿といえるだろう。
今後の動向は——3万人超のプレイヤーが注目

SteamDBのデータによれば、『ヘルダイバー2』のリリースから2年以上が経過した現在も、同時接続プレイヤー数は3万人前後を維持しており、ピーク時には5万人を超える日もあるという。これほどの規模のプレイヤーが日常的にプレイしているからこそ、ひとたびバランス調整への反発が起きれば大きな反響を呼ぶ構図だといえる。
Arrowheadは今後もユーザーからのフィードバックを検討しながら対応を続けると語っており、5月6日予定のホットフィックス以降の調整方針がどうなるかは引き続き注目されるところだ。『HELLDIVERS 2』はPC(Steam)/PS5/Xbox Series X|S向けに配信中。

