近年のゲームでは、スカートを履いた女性キャラクターがスパッツ(インナーパンツ)を着用している場面が以前と比べて増えてきた。この傾向に対し、2026年5月初旬、国内外のゲーマーの間でちょっとした論争が巻き起こっている。発端となったのは、日本ファルコムが2026年9月17日リリース予定のPS5版リメイク作品『空の軌跡 the 2nd』だ。
「ゲームを再び偉大に」——海外ゲーマーが声を上げる
X(旧Twitter)ユーザーの「RED YOTA」氏が4月30日、『空の軌跡 the 2nd』のヒロイン・エステルがスパッツを着用していることに触れ、「Make Games Great Again / Normalize Panties instead of spats(ゲームを再び偉大に/スパッツの代わりにパンティーを当たり前に)」と投稿。日本ファルコムに向けたタグ付きで発信したこの投稿は、翌日にも続報が投稿され、瞬く間に拡散した。
翻訳すると「ゲームを再び偉大に」というフレーズはどこかで聞いたような言葉だが、投稿へのリプライでは「スパッツも最高だ」という肯定的な意見も寄せられており、一枚岩の批判ではない様子だった。RED YOTA氏は翌5月1日にも続投稿を行い、改めてこのテーマへの関心を示している。
日本でも「パンツ派」が声を上げる
この流れは日本語圏にも波及した。X上では「スパッツの方がエロい」とする擁護論が飛び交う一方、批判的な意見も相次いだ。あるユーザー(@da_goba58)は次のように述べている。
日本人の多くが「スパッツの方がエロい」と言っていて悲しい。確かにスパッツはエロいよ。でもそれはパンツを消していい理由にはならないはずだ。日本人なら志は高くもとう、日替わりパンツ着脱可能。
別のユーザー(@7I0hRkwk4003Bzi)も「左がエロいなどと断じて言わせん!ダサくなるのは違いますわ」と画像付きで意見を表明。スカートにスパッツという組み合わせ自体に疑問を呈する声も少なくなかった。
論争の核心——「好み」の問題か「規制」の問題か
今回の議論で興味深いのは、単なる「どちらが好きか」という嗜好の話にとどまらず、ゲーム業界の表現規制をめぐる問題意識が根底にある点だ。複数のユーザーが「規制の流れに傾いたファルコムに嘆いている」「スタッフの好みではなく規制に屈してのスパッツなら全く賛同できない」と指摘している。
また、「スカートにスパッツは何もエロくない」「スパッツが好きだという人も、元々スパッツだったキャラがパンツにされたら嫌だと思うはずで、それと同じことだ」という意見も見られ、表現の変更自体への抵抗感が議論の核心にあるようだ。日本や海外のゲームをめぐる表現変化については、近年さまざまな作品で同様の議論が起きている。
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エステルと「スパッツの設定」——作品内の文脈

一方、作品のファンからは別の視点での擁護論も出た。あるユーザーは「原作のFCでエステルが『棒術だと下着が見えちゃうから』という理由でスカートを履かなかったエピソードがあり、SCでスカート衣装に変わる流れが良かった」と指摘。つまり、スパッツの着用はキャラクターの内面的な成長を示すストーリー上の演出として捉えることができるという見方だ。「リメイク版は戦闘中モロに見えちゃうからさすがにやめとこうってなったんやろ」という現実的な声もあり、制作側の判断を一概に批判するのは難しい面もある。
さらに「またエステルのスパッツ論争が起きているが、もし履いていなかったとしたらセクハラポストが溢れかえるのが目に見えているので、ファルコムに感謝している」という声も挙がっており、スパッツを「保護」として肯定的に受け取る層も一定数いることがわかる。
「多様性」という落としどころ
この論争で最も共感を集めたのは「パンツもスパッツもどちらも楽しめることこそが多様性であり、たとえスパッツの方がエロかったとしても、パンツを楽しむ自由を奪われるならそれは受け入れられない」という意見かもしれない。選択肢の幅が失われることへの懸念、という形でなら、スパッツ派・パンツ派の双方が共鳴できる主張だ。
ゲームにおけるキャラクターの表現については、プラットフォームポリシーや社会的なムードを背景に変化が続いている。今回の議論がファルコムや他のゲームメーカーの方針に影響を与えるかどうかは不明だが、少なくともこのテーマへの関心の根強さは改めて示されたと言えそうだ。なお、『空の軌跡 the 2nd』のPS5版は2026年9月17日に発売予定となっている。

