「密度高いステージ型が面白い」——日本メーカーがアニメ調OWを作らない理由、開発者の発言が議論に

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開発者の一言が火付け役に

「クソつまんねぇオープンワールドをクソほど遊んできたので今更クソオープンワールドなんかに憧れなんかねぇよ。絶対密度高めの面切り替え式のほうが面白れぇものが出来上がる」——こんな率直な投稿がゲーム業界隈で大きな反響を呼んでいる。

投稿したのは、ゲーム開発者のdoekuramori氏(@citadeldev)。この一言に2,800件以上のいいねが集まり、「日本のゲームメーカーがアニメ調オープンワールドをあまり作らない理由」をめぐる議論へと発展した。原神をはじめ、中国・韓国のタイトルがアニメ調オープンワールドジャンルで存在感を高める昨今、日本勢の戦略はどうあるべきか——SNS上では開発者、プレイヤー双方からさまざまな意見が飛び交っている。

「作れない」のではなく「作らない」という見方も

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この議論において注目を集めたのが、ヒゲパパ氏(@Ray_Mii_)の投稿だ。

日本はアニメ調オープンワールドを「作れない」のではなく「作らない」だけだと思う。ゼルダという巨大IPで成功例と実績は十分。ただ日本のメーカーはその土俵で殴り合うより、自分たちの強みで勝負してきただけでは。似たゲームを乱立させる必要はない。各社が考える「一番面白い」を突き詰めてほしい。

「ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム」は2023年に全世界で爆発的なヒットを記録し、オープンワールドと日本のゲームデザインが高次元で融合できることを証明した。しかし任天堂以外の多くの国内メーカーは、ステージ型・面切り替え型のゲームデザインを採用し続けている。ヒゲパパ氏の言葉を借りれば、それは「劣位」ではなく「選択」であるとも解釈できるだろう。

プレイヤーからも「オープンワールド疲れ」の声

開発者サイドだけでなく、プレイヤー側からも似たような感覚を訴える投稿が相次いでいる。

やっぱ、最近のゲームってなんでもかんでもオープンワールドにしすぎなんですわ

凛氏(@Lingtosite_490)のこの投稿のように、「オープンワールド疲れ」を感じているプレイヤーは少なくないようだ。広大なフィールドを自由に探索できる反面、移動の長さやサブクエストの多さに疲弊してしまうという声はゲームコミュニティで以前から定期的に上がっている。開発者のdoekuramori氏の発言は、そうした率直な不満を「作り手目線」で言語化したという点でも共感を集めたと見られる。

「強みで勝負」——日本ゲームが磨いてきたもの

Switch 2版の連続リリースは「三部作の流れを途切れなく繋げる」戦略の一環

日本のゲームメーカーは長年、ステージ攻略型・フォトリアル路線・シナリオ重視のJRPGなど、独自のジャンルで世界市場を席巻してきた。カプコンの「モンスターハンター」シリーズ、スクウェア・エニックスの「ファイナルファンタジー」シリーズ、あるいはフロム・ソフトウェアの「エルデンリング」など、いずれもオープンワールドの文脈とは距離を置きながら、それぞれのジャンルで圧倒的な地位を築いている。

こうした文脈を踏まえると、アニメ調OWというフィールドで中韓メーカーと正面から競い合うより、既存の強みを深化させる方向性が現実的であるという見方は、業界内でも一定の支持を得ているようだ。もちろん「ゼルダ」のような成功例があることも事実であり、今後は「作るなら高密度・高品質でなければ意味がない」というハードルが業界全体に共有されつつある状況ともいえる。

ゲームのビジュアルやシステム設計をめぐる議論は、デザイン面でも繰り返し行われており、以前にはキャラクターの衣装表現をめぐって国内外で賛否が巻き起こったケースもある。

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ジャンルの選択であれ、キャラクターデザインであれ、「何を作るか」という決断に対してプレイヤーが敏感に反応する時代が続いている。doekuramori氏の投稿はその一端を切り取ったものとも言えるだろう。

「一番面白いもの」を突き詰める姿勢が問われる

「一番面白いもの」を突き詰める姿勢が問われる

今回の議論が示しているのは、オープンワールドという形式自体の良し悪しではなく、「何のためにその形式を選ぶのか」という問いかけではないだろうか。doekuramori氏が指摘するように、広大なフィールドを持て余しただけの薄いコンテンツより、面切り替え型で丁寧に作り込まれた体験のほうがプレイヤーの記憶に残る——そうした感覚は、多くのゲームファンにとっても身に覚えのあるものかもしれない。

ヒゲパパ氏が言う「各社が考える一番面白いを突き詰めてほしい」というメッセージは、開発者・プレイヤー双方が共有できる、シンプルながら本質的な願いといえそうだ。この議論が、今後の日本ゲーム業界のあり方を考えるひとつのきっかけになれば興味深い。

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